活動の記録
▼2004
3月14日/ミャンマー・リーダーシップ研修報告
 
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ミャンマー・リーダーシップ研修報告
ミャンマー・リーダーシップ研修報告                   2004年3月14日から一週間、自動車パーツメーカーA社(一万人の大企業)の経営幹部候補者12名を対象に、「リーダーシップ研修in MYANMAR」を行って来ました。


報告に先立ちまして、ご協力頂いた全ての方々に心より御礼申し上げます。皆様のお陰でミャンマーでの研修は大成功のうちに終了する事が出来ました。特にユーローミャンマー支部の和田和さんには実に煩雑で複雑なお仕事をこなして頂き、無事に終了する事が出来ました。労苦をおかけしましたが、本当にお陰様です。ありがとうございました。


さて、「ミャンマーでボランティア活動を行なう事を通して、真のリーダーシップとは何かを学ぶ」事が研修の目的でした。多くの企業は、生産活動の高効率化を図るために組織を機能化する事にパワーを集中しましたが、反面自部署の目標達成を何よりも優先してしまうという落とし穴にはまり、セクショナリズムに支配されて全体最適ではなく部分最適志向に知らず知らず陥ってしまう弊害が出てしまうんですね。所謂、大企業病というやつです。A社も例外ではありませんでしたが、だからこそ将来を担う幹部候補者に、「リーダーにとって何が重要であるかを考えさせたい」と認識を持たれた訳です。リーダーによって組織はどのような方向にでも向きますし、リーダーシップの質によって将来は如何ようにでもなりますからね。


ほんまもんのリーダーシップは「将来の組織全体の姿を思い描き、メンバーの理解納得と共感を得る。メンバー個々は自分のパワーを自発的にその目的達成のために如何なく発揮する。そんな状況を創り上げる事」。つまり部下にどんな影響を与えているかと言う内容がその人のリーダーシップの質なんですよ。しかし現状はリーダーシップの質がどんなレベルであれ、部下に命令さえすれば部下は動く訳ですよ。そんな毎日を繰り返していて、リーダーの質が上がるとは思えませんよね。命令する事で事が足り自身の影響力を磨こうとする者がなければ会社の将来は???ですよね。A社の問題意識もそこにあるんです。

ボランティアをテーマにしたのは、やりたい目標を決め、計画を立案し周囲の人を巻き込んで達成するプロセスを短期間に実現するにはうってつけだからです。ビジネスでもボランティアでも相手があって、相手が喜んでくれなければ意味はありません。相手が喜んでくれた対価としてお金や信用を得るのがビジネスで、ボランティアは相手にとって意味のある事であればあるほど喜んでくれます。それがボランティアの対価です。ボランティアもビジネスも人の行動メカニズムは一緒で自分が実現したいと思う事への好奇心が強ければ強いほど意欲を持って臨み、実現のために計画を立て、障害に向かいながら達成しようとしますよね。従って今回は参加者が「本当にこんなことを実現したいし、実現する事で相手が心から喜んでくれると思われる状態」を思い描いてそれを達成するプロセスを経験することで改めて人の行動の意味を考え、その事を仕事に適応した時に、リーダーシップとは何かを学べるであろうと考えたのですよ。そう私が考えた背景には「いつも教室の中でやっている研修では、本当の学びは少ない」と限界を感じていたんですよ。


メンバーのミャンマーでの奮闘振りを細かくお伝えしたいのですが、あまり長々と書いてもヒンシュクものでしょうから、ある1グループの様子をお伝えしますね。後は又いずれ皆さんにお会いした時に直接お話する事にします。

「物作りチーム」と言うグループの活動。
田舎の大自然に囲まれた700名の子供達のいる小中学校を彼等は訪れた。学校は夏休みで生徒はいないが、課外授業として高学年(卒業まじかの生徒)30名程を特別に集めてもらって、「物作り」の楽しさを知ってもらい、その技術を後輩に伝え継いでもらうことを目的に活動を行なった。具体的には「机と椅子」を製作する全プロセスを生徒を巻きこんで行なうのである。この学校では平素日本でいう技術家庭科のような授業はない。従って製図や設計図を描く事ははじめてで、ましてや製図を描いてそれを現実の物に創り上げるというような行為も全く初めてなのである。活動は製図を描く事の意味や方法の授業から始まった。


しかし全員が興味を持って授業を受けたのかと言えば決してそうではなかった。工程が実際に木を切ったり釘を打ったりする製作に及ぶと生徒は実に活き活きと活動するようになった。初めて使う鋸や釘うちは実に上手い。少し教えれば先生よりも上手い場合すらある。心配した滞りもなく、後半は順調に進み予定通り見事な椅子と机が完成した。生徒達は心からの感謝を先生達3人に送り、今回経験したことを後輩達に伝承することを誓い、「物を作る事の大切さを学んだ」事を感謝した。感激と達成感を味わった瞬間であった。そうして3人にとっての研修は終了した。しかしその背景には3人の人知れぬ努力があった。先ず「自分達は何のためにミャンマーの小学校」に行きたいのか、目的の議論を徹底的に行なったのである。本当に生徒達にとって意味のある事は何なのか、を話し合った末に事前情報によってもたらされた学校の実情から、「教室の壁の修復」「黒板作り」「パーテイション作り」「机の補修」「椅子の補修」というテーマを事前に決めその準備を十分にして現地に入ったのである。


しかし事前のやりとりの行き違いで学校の先生の期待は「校庭に子供の遊び場」「学校の周りのフェンス」「子供達に面白い授業をしてやって欲しい」等で、準備した事とは全く違う内容であった。特に壁の補修は完全に教室を仕切るレンガやコンクリートのようなものならよいが、板一枚を張り合わせてもらっても意味がない事や黒板は今のままでも十分に出来るという事を聞かされ、大きな壁に突き当たったのである。その中で机と椅子は是非欲しいという先生の要請を受け、テーマが決定した。しかし机と椅子は補修する程度にしか事前に考えていなかったので、最も困難で達成が危ぶまれるテーマになってしまったのである。


その日のメンバーの日記には『ヒヤリングで先生も作り方を習いたいとの要望有り。継続性にも期待が持てる。余ったお金は全て材料を残せば良い。そこから彼等が自発的にやってもらうために。我々のチャレンジも主旨は先生だけでなく子供達へも理解納得させたい。想定はしていたが、全く準備出来ていないテーマの決定となった。あえて困難なテーマを選んで無形で残る大きな価値を重要視した。』とある。更に素材や工具の調達も全て一から始めたのである。


彼等は当初予定していたテーマとは全く違うテーマの選択を余儀なくされたが、「物作りの楽しさを伝え、継いでいってもらいたい」という目的は一歩も揺らがず、その目的が先生や生徒達の共感を得られたからこそ、短期間で難易度の高いテーマを達成出来たのである。彼等の目的の理解を得られたからこそ、先生は彼等に最大限の協力をおしまなかったと言えるだろう。


生徒は皆豊かな生活をしている訳ではない。Aさんもそんな生徒の一人であった。Aさんは夏休み中、家計の手助けに本来はアルバイトをせねばならない。しかし先生は学校に来て物作りを学ぶ事の方が、Aさんの将来のためには意味があると判断した。そして先生は少ない自分の給料からAさんにお金を渡し、お弁当も自分が作ってこの授業に参加させたのである。先生がそうする事は容易ではない。皆貧しいのである。先生を動かしたのは正に3人が真剣で本物であったからに他ならない。3人は相手にとって意味のある目的を選択し、先生や生徒に大きな影響を与えた訳で、見事なリーダーシップを発揮したと言えるだろう。彼等3人は恐らく先生の今後の授業のあり方に影響を与える事であろう。そして何よりも子供達の将来に大きな影響を与えたに違いない。3人は借り物の感動を体験したのではない。自分達のリーダーシップが相手の感動とその後の人生に影響を及ぼした事を実感し、そんな状態を創り上げる事が出来た自分の力に感動したのだと思う。


特に仕事では「人とのコミュニケーションが上手くない」Kさんがいた。彼はしかし、物作りのプロである。最終日に生徒達から感謝の言葉を送られたKさんの目からは大粒の涙があふれ出ていた。表情を変えず黙々と仕事する平素のKさんが流した涙を見て、私も涙が止まらなかった。Kさんは人の行動が相手に及ぼす影響の大きさをしっかりと心に刻みこんだに違いない。勿論最も変化した人がKさんである事は言うまでもない。


そして、その企画を「テレビ大阪」(キー局)の番組の「ボランティア21」で取り 上げられ、放送されました。
ボランティア活動を通して、「真のリーダーシップを探求し、人が動機付く事の意味 や他者に影響を及ぼす事の本質を学ぶ」事が目的でした。
メンバーの取り上げたテーマはどれもミャンマーの子供達を対象にしたものになりましたが、その奮闘振りを番組でご覧頂けました。




 
日頃はユーローの会員として活動しております。今回は私共ビジネスバリューサポート・コーリングとしてもトライアル的な位置付けですが、今後はこのコンセプトを整理しまとめ上げながら、更にお役に立てる内容にする所存です。



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