不動産仲介を個人で行う手順③

不動産仲介を個人で行う手順①と②では、次の5つの流れを解説しました。

・事前に物件の相場をチェックする
・物件に関する資料を用意する
・売却価格を設定後、物件情報を宣伝する
・物件情報を見た方からの問い合わせや内見予約の受付
・買い手との物件の価格交渉

こちらの③では、残り3つの手順を紹介します。

6.売買契約書を作成する

買い手との価格交渉が済み、売却価格が決まりましたら、売買契約書を作成します。売買契約書には、「売却価格」「固定資産税の起算日」「引渡し日」「手付金や中間金の受領日」などを記載します。収入印紙を忘れないようにしてください。
※2020年3月31日までは印紙税の軽減措置が適用されます

瑕疵(かし)や設備などの不具合などは、「重要事項説明書」に記す必要があります。※正式な重要事項説明書は宅地建物取引士所持者でないと作成できません

7.売買契約を結び、代金を決済する

作成した売買契約書の内容にきちんと目を通してもらった後、売主と買主の両者が署名捺印をして、売買契約を結びます。物件の代金は決済日に入金してもらう形です。

売買契約時に買主は売主に手付金を支払い、固定資産税の精算を決済日、もしくは別途設定した日に行います。

8.決済日~物件の引き渡し

決済日には、司法書士に立ち会ってもらい、所有権移転登記手続きを実施します。同時に、「売却価格-手付金」の金額を受領し、後日、物件の引き渡しをした時点で売買取引の完了です。

不動産仲介を個人で行う手順②

不動産仲介を個人で行う手順①では、次の3つの工程を取り上げました。

・事前に物件の相場をチェックする
・物件に関する資料を用意する
・売却価格を設定後、物件情報を宣伝する

引き続きこちらの②にて、①に続く手順を紹介していきます。

4.物件情報を見た方からの問い合わせや内見予約の受付

不動産ポータルサイトやオークションサイトを物件情報を見た方からの問い合わせや、内見予約の受付です。土地の場合は現地のチェックとなります。

問い合わせで想定されるのは、以下の項目です。

・不動産仲介を個人で行っている理由
・物件購入後のトラブルの解決方法
・土地の境界線や埋蔵物の確認

仮にその場で答えることができなくても、調べた後にきちんと答えられるようにしておきましょう。

それから、内見の予約や現地のチェックは、お互いに無理のないスケジュールを組むようにするのがコツです。

5.買い手との物件の価格交渉

内見などを経て、買い手が物件の購入を希望しましたら、価格交渉に移ります。おそらく最初に提示した売却価格よりも低い価格を求めることが予想されるでしょう。

そのため、どの程度まで値下げを行うべきか?ということを事前にシミュレーションしておくのもひとつの方法です。

例えば、周辺相場や過去の取引事例などを考慮した結果、3000万円で売却したい物件の場合、3100万円~3200万円で最初の売却価格を設定することで、買い手との価格交渉にも応じやすくなるでしょう。

不動産仲介を個人で行う手順①

不動産仲介は個人で行うことで、不動産業者に支払う仲介手数料を節約したり、売買の際に建物への消費税が非課税となるメリットがあります。

一方で、手続きのすべてを自身で担ったり、不動産トラブルへの対応を責任を持ってやり遂げることも必要です。

ここでは、不動産仲介を個人で最初から最後まで行うための手順を紹介していきます。

1.事前に物件の相場をチェックする

不動産仲介を個人で行う手順の1番めは、売却したい不動産物件の「相場」をチェックすることです。国土交通省「土地総合情報システム」では、過去に成立した不動産の取引価格を調べることができます。

不動産業者が設けている「一括査定サイト」にて査定をしてもらうのも良いかもしれません。

2.物件に関する資料を用意する

続いて、物件の築年数や面積、建築図面などがすぐにわかる資料を用意します。

3.売却価格を設定後、物件情報を宣伝する

最初に調べた物件の周辺相場を踏まえた上で、売却価格を設定します。売買取引では、最初に提示した価格で成立することは稀です。

大抵の場合、買い手との価格交渉の末に実際の売却価格が決定します。そのため、値下げされることを前提とした価格設定をしておくのがセオリーです。

売却価格が設定できましたら、物件情報の宣伝です。有料の不動産ポータルサイトや、不動産のオークションサイトに物件情報を登録します。チラシを作って物件の近隣に配布したり、SNSに物件情報を投稿するのも良いでしょう。

不動産仲介を個人で行う3つのデメリット

不動産仲介は個人間で行うことで、仲介手数料が発生しないことや、消費税が非課税になるといったメリットが得られます。

ただし、何事もプラスがあればマイナスがあるように、メリットの裏側にはデメリットが存在するものです。ここでは、不動産仲介を個人で行う3つのデメリットを紹介します。

デメリット①自分で買主を探し、手続きのすべてを行う必要がある

不動産仲介を個人で行うハードルが高くなる要因として、売主である本人が買主を探し、売買に関する手続きのすべてを行う必要がある点です。

子や親族、友人や知人など、あらかじめ買い手が決まっている場合ならともかく、ゼロから探すとなると、オークションサイトなどが現実的な手段となるでしょう。

無事に買主が決まったとしても、売買契約書や重要事項説明書を準備し、法務局に登記手続きをするなど、お金はもちろんのこと、時間と手間がかかります。

デメリット②買主より不動産トラブルの対応を迫られる

不動産の取引は、契約して物件を引き渡した時点で終了ではありません。

契約後に設備や建物の不具合が発生した場合、重要事項説明書にて説明をしていなかったり、売主も把握していない不具合の際には、売主が責任を持って解決することになります。

デメリット③住宅ローンの審査が通らない可能性がある

不動産の売買は、銀行などの金融機関による住宅ローンを設定することで、成立することがほとんどです。

個人による不動産仲介の場合、宅地建物取引士の資格保持者でないと、正式な重要事項説明書を作成することができません。そのため、書類の不備で住宅ローンの審査が通らない可能性も考えられます。

不動産仲介を個人で行う3つのメリット

不動産仲介を個人で行うためには、宅地建物取引士の資格が必要です。ただし、例外的に、宅地建物取引士を所持していない方が、不動産の売却ができるケースがあります。

例えば、親⇒子、夫⇒妻、所有者⇒親族といったように、すでに売却先が決まっており、なおかつ身内同士などの信頼できる関係であれば、個人売買のメリットを享受できる可能性が高いです。ここでは、不動産仲介を個人で行う3つのメリットを紹介します。

メリット①仲介手数料が発生しない

個人間の売買の際には、仲介手数料が発生しないことがメリットのひとつです。仲介手数料とは、不動産の売買の仲介を不動産業者に依頼し、売買が成立した際に不動産業者に支払う費用です。仲介手数料は400万円超の取引の場合、(売買価格×3%+6万円)×1.10(消費税)で算出されます。

メリット②消費税が非課税となる

不動産業者が仲介を行った際には、売買契約を結んだ「建物」に対する消費税が発生します。(土地は消費税の非課税対象)個人で売却をする場合には、消費税は土地、建物ともに非課税です。

メリット③売主の要望が叶いやすい

不動産業者の仲介において、基本的には、市場に基づいた売買価格が設定されます。一方、個人売買では、比較的売主の要望が叶いやすい傾向があると言えるでしょう。取引相手が親族などであれば尚更かもしれません。

とはいえ、交渉力やコミュケーション能力が一定以上あることが条件です。価格も極端に相場よりも高すぎないように抑える必要があります。