4種類の事故物件

事故物件と呼ばれる不動産には、大きく分けて4つの種類があります。

・過去に自殺・殺人事件があった物件
・過去に災害に遭った物件
・近所で事件や災害があった物件
・再建築ができない物件

過去に自殺・殺人事件があった物件

事故物件の大半がこのカテゴリに当てはまります。部屋の中やベランダ、廊下などの共用部、敷地内にある駐車場などで、過去に自殺や殺人事件があった物件です。

集合住宅の場合、他の部屋も事故物件扱いとなる可能性があるため、注意が必要です。売買の前には必ず過去に起きた出来事を説明する義務があります。

過去に災害に遭った物件

過去に火災や水害、地震による倒壊、シロアリなどの害虫被害などがあった物件が該当します。一旦建物を解体して更地にしてから再度建物を建築した場合であっても当てはまります。

近所で事件や災害があった物件

物件そのものではなく、近所で事件や災害があった物件が当てはまります。他にも近所に暴力団の事務所や狂信的な宗教団体の建物がある場合も該当します。人によっては近所にある火葬場やゴミ処理場も当てはまるかもしれません。

再建築ができない物件

建物を建てた当時は問題がなかったとしても、21世紀の建築基準法では再建築ができない物件が該当します。

例えば建築基準法で定められた道路に対して2メートル未満しか接していない物件や、幅4メートル未満などの道路として認められない通路などに接している物件が当てはまります。ただし、自治体によっては一定の条件を満たすことで建築可能となるケースもあります。

買主への告知義務

過去に自殺や殺人事件があった物件を売却する際には、買主に対して必ず告知する義務があります。仮に隠して売却し、後から買主が過去の出来事を知った場合、契約の解除が可能となり、損害賠償請求を受ける可能性もあります。

物理的瑕疵

物理的瑕疵(ぶつりてきかし)は、過去に建物が火災や地震などの災害に遭ったり、シロアリなどの害虫が発生した場合が当てはまります。売買契約時の重要事項説明にて、故障や不具合がきちんと説明されている設備に関しては対象となりません。

心理的瑕疵

心理的瑕疵(しんりてきかし)とは、過去に自殺や殺人などの事件が起こったり、近所に暴力団の事務所や宗教団体の建物がある場合などが該当します。

孤独死と病死

自殺や殺人ではなく自然死ではあるものの、死後一定期間が経過した後に発見された場合の孤独死は、心理的瑕疵として買主に対して告知義務が生じることもあります。

一方、病死の場合は告知義務はありませんが、買主によってはあまり好ましくないと考えられる場合もありますので、売買契約を結ぶ前に仲介する不動産会社の担当者と相談をした方が良いかもしれません。

自然死と尊厳死

自然死には、老衰などの寿命で亡くなるケースが当てはまります。一般的には延命措置や延命治療をせずに亡くなった場合を自然死とすることが大半のようです。

尊厳死は、病院などではなく自宅で延命措置を採らずに最期を迎えることをいいます。どちらのケースも心理的瑕疵には該当しないため、告知義務はありませんが、不動産会社の担当者には話しておいた方が良いでしょう。

不動産会社の仲介による売却

心理的瑕疵のある事故物件の売却には、まず第一に不動産会社の仲介による方法があります。

相場よりも安く売る

事故物件の売却の場合、その地域の相場よりも安くなることが大半です。ただし、事故物件だからこの程度の割引となるといった基準はありません。物件の立地条件や事故の内容によって差額が発生するためです。

例えば大都市圏内で、急行などの停車駅から徒歩5分以内といった物件であれば、比較的需要が見込まれるため、他の物件より10%から20%ほど安い売却価格に設定することで、スムーズに売却できる可能性があります。

一方で、住宅が余っているようなエリアの場合には、売却価格を相場の半額以下としても売却できないことも考えられます。

事故物件に強い不動産会社を選ぶ

不動産会社は、大きく分けて4つのパターンに分かれます。

1.マンションや一戸建ての売買を得意とする不動産会社
2.賃貸アパートなどの管理を得意とする不動産会社
3.開発などを得意とする不動産会社(デベロッパー)
4.店舗やオフィスなどのテナントを得意とする不動産会社

その中で、不動産の売却に適した不動産会社は、マンションや一戸建ての売買を得意とする不動産会社です。

大抵の不動産会社のホームページや店舗には、扱っている物件が掲載されています。その物件をチェックすることが売却を得意とする不動産会社を選ぶための第一歩となります。
その上で、事故物件の売却に強い不動産会社を選ぶ必要があります。

オークションと買取

事故物件の売却方法には、インターネットのオークションサイトを利用する方法や不動産会社に買取をしてもらうやり方もあります。

不動産のオークション

オークションサイトでの売却は、事故物件に限らず、できるだけ急いで売却する際に有効な方法です。購入希望者と売却価格の折り合いがついたら、売買契約に進むことができるため、人気エリアなどの、ある程度条件の良い物件に向いているかもしれません。

それから不動産のオークションには、買取専門のオークションも存在します。
ただしこちらの場合は、相手が不動産会社ということになります。物件の条件によっては、例え事故物件であっても出品する価値があるのではないかと思われます。

買取専門業者

事故物件に限らず、不動産の売却が難しい場合に、買取専門の不動産会社に物件を買い取ってもらう方法です。

買取をしてもらうメリットは、確実に売却できることです。そのため、早めに現金化させたい売主に向いているでしょう。

一方でデメリットとして、相場価格よりもかなり低い金額で買取されてしまうということです。ましてや事故物件の場合、わざわざ買取をする不動産会社というのは、買取後に利益を出して転売できるノウハウが構築されている可能性があります。

そのため、手順としては、まずは事故物件を得意とする不動産会社に売却を依頼することから始まり、売却開始から3ヶ月経った頃に売却価格の見直しをして、それでも売却できない場合に買取を検討するのが良いでしょう。

土地としての売却

事故物件の売却には、一旦建物を解体してから、土地として売却する方法もあります。

駐車場などの有効利用

事故のあった物件は、ある程度の期間はあまり良くない噂や評判が流れるため、一旦建物を解体してから駐車場などにして、時間の経過とともに人々の記憶から事故のことが消えるのを待つという方法です。

「人の噂も75日」ということわざもあるように、当事者でない限りは忘れてしまうことが多いため、選択肢のひとつとするのも良いかもしれません。

解体費用

すでにある建物を解体するためには、解体費用がかかります。
築年数が20年から30年以上といった物件であれば、建物としての資産価値はほとんどなくなりますが、新築などの築年数が浅い物件の場合には、資産価値の点で解体費用の方が高くついてしまう可能性があります。

固定資産税と都市計画税

固定資産税や都市計画税は、土地と建物それぞれに課税されます。そのため、土地だけになってしまいますと建物のあった時よりも、固定資産税や都市計画税を4倍ほど多く支払うことになります。

住宅ローンの利用

土地だけの場合よりも建物があった方が、購入希望者が銀行などの住宅ローンが利用しやすいという傾向があります。

買取の検討

事故物件を一度更地にして売却する場合には、解体費用や固定資産税や都市計画税のことを考慮した上で行う方が良いかもしれません。その場合、不動産会社からの買取査定価格とどちらにメリットがあるのか?ということも、きちんと検討する必要があります。